安全衛生・健康経営
◆安全衛生と健康支援の考え方
キヤノンは、安全衛生を企業経営の基盤と位置づけ、「安全なくして経営なし」を安全衛生活動の理念としています。
この理念のもと、キヤノンメドテックサプライでは、従業員が安全で快適に働ける職場環境の整備を行うために、「Human Security(人の安全)」「健康」をキーワードとし、「Broken Windows Theory(破れ窓理論)」に基づいた安全衛生活動ならびに健康経営の推進に取り組んでいます。
◆安全健康管理基本方針
『キヤノンメディカルシステムズグループは、いのちの尊さを基本に医療・健康・福祉の広い分野で人々の健やかな生活の実現のためにグローバルに事業を推進し、豊かな価値を創造します。
- 健康と尊い命を守る医療に貢献します。
- 高品質で信頼性のある「商品」と適切な「サービス」を提供します。
- お客様と共に歩み、成長していく企業を目指します。』
- 安全健康を経営の最重要課題の一つに位置づけ、「業務に起因する負傷および疾病の予防」と「安全健康管理活動の継続的な改善」に努めます。また、感染症対策は継続しつつ、キヤノングループの施策に連動し対応していきます。
- 労働安全衛生法規等および当社が同意したその他の要求事項を順守します。
- 職場で働くすべての人が「安全健康の意義」を十分に理解し、常に「安全に対する意識と危険に対する感度」を高め、「労働災害ゼロ」の安全で安心な職場づくりの実現を目指し行動します。
- 次の事項に対して目的・目標を定め、実行します。
- (1)リスクアセスメントを活動の柱として、労働災害や職業性疾病の撲滅ならびにこれらを誘発する危険源の除去、ならびに化学物質管理の適正化を行い、リスクの低減を図ります。
- (2)全従業員が個々の能力を十分に発揮するための心身の健康保持増進に取り組みます。
- (3)交通ルールの遵守とマナー向上を通じて、交通事故(業務上・通勤途上)の撲滅に務めます。
また、犯罪行為は決して許さないという決意のもと、従業員への働きかけを徹底し、飲酒運転の根絶を目指します。 - (4)従業員の防災(火災・自然災害)意識の向上を図り、自己の安全を確保するとともに、速やかな事業復旧を可能とする基盤を構築します。
- 職場管理者と従業員が一体となり、取引先や地域とも連携し、働く人との協議及び参加を尊重し、安全と健康を何よりも最優先する「安全健康文化」の創造を目指します。
- 本方針は、当社の事業に係わる全ての人にホームページ等を通じて積極的に開示し、関係者の理解を求めます。
◆キヤノンメドテックサプライ安全衛生活動方針 4つの重点分野
【安全衛生】労働災害の撲滅へのチャレンジと安全・安心の職場づくり(安全配慮義務の徹底)
【健康支援】健康な社員と会社を支える健康経営の実現(社員が快活に最⼤限の能⼒を発揮できる会社の実現)
【交通安全】グループ会社・地域と連携した交通安全活動の徹底
【防火防災】各種災害対応力の向上
◆従業員の健康支援
キヤノンメドテックサプライ健康経営宣言
いのちの尊さを基本に医療・健康・福祉の広い分野で人々の健やかな生活の実現のために、その担い手である従業員が自らの健康の維持増進に積極的に取り組み、快活に最大限の能力を発揮できるよう健康経営に取り組むことを宣言します。

キヤノンメドテックサプライ健康経営推進方針
■キヤノングループの行動指針である「健康第一主義」「三自の精神」のもと、従業員が自らの健康管理に高い意識を持ち、活き活きと働くことで、従業員のパフォーマンスが最大化し、『企業の成長と持続性の実現』につなげることを目的とします。
※健康経営の推進に当たっては、「会社方針」の中の「重点実施項目」に健康経営を据え、経営方針と健康経営推進方針の結びつきを明示しています。
キヤノンメドテックサプライ株式会社 代表取締役社長 野口 真一
◆健康経営推進の体制
- キヤノンメドテックサプライの健康経営推進体制は、健康経営責任者を経営トップの社長とし、健康経営推進チーム(嘱託産業医・常勤保健師と総務人事課内の健康経営推進事務局が連携するチーム)を組織し、運営しています。
- 取締役会・経営会議等、または安全衛生委員会で決定した内容を、各職場の安全衛生委員を通じて従業員に周知し、活動を実施しています。また、健康経営推進計画の検討・策定や労働安全衛生に関する施策の実施にあたっては、従業員代表や各職場の安全衛生委員、その他管理職や一般者との協議や情報の共有を実施しており、様々な健康支援活動に取り組んでいます。
- 各職場の安全衛生委員の役割の1つに、健康支援施策のサポートを行う“ウェルネスリーダー※”の役割を定めており、従業員と健康経営推進チームの間の橋渡し役としての活躍を期待しています。
- ※ウェルネスリーダーに期待される役割~ウェルネスリーダーは、健康経営の戦略に基づく各種イベントや施策にどうしたら従業員が参加できるかを考え、職場内で推進する役割を担います。 健康経営推進チームに現場の要望や実態、課題を伝えていく役割も担います。その結果、健康施策への従業員の参加率が向上し、健康経営のアウトカム指標の改善に貢献することが期待されます。
◆健康経営戦略マップ 
社会的価値:従業員の心身の健康とQOL向上/人々の健やかな生活の実現への貢献
企業価値:従業員一人当たりの労働生産性向上
◆健康経営で解決したい経営課題:従業員の生産性・ワークエンゲイジメント向上
| 指標 | 年度 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2030年目標 |
| 測定人数 | 227名 | 243名 | 234名 | ||
| アブセンティーイズム*1 | 実績値 | 2.00日 | 3.75日 | 2.78日 | 2日 |
| 回答率 | 97.4% | 98.8% | 98.7% | ||
| プレゼンティーイズム*2 | 実績値 | 88.9% | 87.5% | 86.8% | 90% |
| 回答率 | 98.2% | 99.6% | 99.6% | ||
| ワークエンゲイジメント*3 | 実績値 | 2.60点 | 2.58点 | 3.17点*4 | 3.2点*4 |
| 回答率 | 98.2% | 100% | 92.7% |
※2025年9月集計値
※定期健康診断の問診にて全社員を対象に実施- *1 「昨年1年間に、自分の病気やけがで仕事を休んだ日数」という問いに対する回答の平均日数
- *2 SPQ東大1項目版「病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として、過去4週間の自分の仕事の評価[%]」という問いに対する回答の平均値
- *3 健康診断の問診にて従業員全員を対象に実施したもので、設問 ①仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる
②自分の仕事に誇りを感じる の各回答を そうだ:4点、まあそうだ:3点、ややちがう :2点、ちがう:1点として4点満点で得点換算し、平均値を算出したもの - *4 健康診断の問診にて従業員全員を対象に実施したもので、設問 ①仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる②仕事に熱心である③私は仕事にのめり込んでいる の各回答を いつも感じる/毎日:6点、とてもよく感じる/1週間に数回:5点、よく感じる/1週間に1回:4点、時々感じる/1ヶ月に数回:3点、めったに感じない/1ヶ月に1回以下:2点、ほとんど感じない/1年に数回以下:1点、全くない:0点として6点満点で得点換算し、平均値を算出したもの
◆各種指標
キヤノンメドテックサプライは、各種の指標(ヘルスリテラシー・メンタルヘルス関連・生活習慣病ハイリスク関連・健康診断の結果等)の質的向上と職場の健康風土を醸成していくことを目指しています。
また、健康保険組合と連携し、がんの早期発見・早期治療につなげるための「がん検診」の定着・受診率の向上、禁煙の推奨につなげる啓発活動等を展開しています。
| ヘルスリテラシー | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2027年 目標値 |
|
| 生活習慣改善意識行動「実行段階」者の割合 | 36.3% | 39.6% | 33.7% | 40% | |
| 1日30分以上の運動を週2回以上行っている者の割合 | 28.1% | 28.1% | 31.2% | 30% | |
| 野菜を一日350g以上摂っている者の割合 | 12.8% | 15.6% | 13.2% | 17% | |
| 睡眠により休養がとれている者の割合 | 67.8% | 64.4% | 61.0% | 68% | |
| 飲酒リスク者の割合 | 26.4% | 29.6% | 14.8% | 13% | |
| 喫煙率 | 24.9% | 24.0% | 23.2% | 20% | |
| メンタルヘルス関連 | |||||
| ストレスチェック受検率 | 100% | 100% | 100% | 100% | |
| 高ストレス者率 | 9.8% | 6.6% | 10.7% | 10% | |
| 生活習慣病ハイリスク関連 | |||||
| 特定保健指導実施率 | 39.4% | 87.5% | 90.5%*1 | 60% | |
| がん検診受診率 | 75.3% | 67.5% | 68.8% | 80% | |
| 健康診断の結果等 | |||||
| 定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% | 100% | |
| 要受診者受診結果報告率 | 100% | 100% | 97.0% | 100% | |
| 適正体重者率 | 65.1% | 65.2% | 65.6% | 66% | |
| 血圧治療継続率 | 85.2% | 91.9% | 94.5% | 100% | |
| 糖尿病治療継続率 | 100% | 100% | 100% | 100% | |
※2025年9月集計値
*1:第4期特定保健指導実施率については集計中
※目標値:グループ他社、健康日本21の数値を参考に設定
◆自己健康管理力向上と健康風土醸成のための取り組み・評価
社員一人ひとりが心身の健康づくりに目を向け、ヘルスリテラシーを高められるよう、健康経営戦略マップに沿った様々な取り組みやイベントを企画・実施しています。企画・実施にあたっては、経営機能や管理部門が集中する本社地区だけでなく地方拠点にも健康経営の考え方を等しく浸透させることができるよう工夫しています。
健康増進week・ヘルシーアクションカードを用いた健康意識の醸成
年に2回健康増進weekを設定し、健康教育イベントや、ヘルシーアクションカードを用いて健康意識の醸成を図っています。
ヘルシーアクションカードには、従業員全員が心身の健康のための取り組み目標を記載し、社員証ケースに入れて携帯しています。また、役員・本部長のヘルシーアクションを社内公開するなど、取り組みを「見える化」することによって、モチベーションアップとコミュニケーションの活性化を図っています。
健康増進weekには、部署ごとにヘルシーアクションの振り返りや健康課題に関するディスカッションを行い、従業員の主体的な参画意識の向上を図っています。
健康教育・イベント
■運動の取り組み
アプリを使用したキヤノン健康保険組合主催のウォーキングイベントを年に2回開催し、チーム対抗戦を実施・表彰しています。ウォーキングの習慣化だけでなく、社内コミュニケーションの活性化にもつながる恒例イベントになっています。
また、毎朝始業前に体操を行ったり、社内ポータルでストレッチを紹介したりするなど、従業員が運動習慣を身につけられるようサポートしています。
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | ||||
| 春 | 秋 | 春 | 秋 | 春 | 秋 | 春 | |
| ウォーキングイベント参加率*1 | 31.4% | 52.0% | 68.0% | 55.4% | 70.1% | 69.3% | 71.4% |
| アプリ登録率*2 | 80.9% | 91.3% | 93.0% | 93.4% | |||
- *1 ウォーキングイベント参加率は、当社勤務の原籍社員を対象とした参加率
- *2 アプリ登録率は、当社勤務の原籍社員とグループ会社出向の原籍社員を対象とした登録率
■食生活の取り組み
野菜摂取推奨イベントとして、「皮膚カロテノイド」を測定し、自身の野菜摂取量を客観視する機会を設けました。
定期的に開催することで自身の食生活の振り返りの良い機会になっています。
■適正飲酒推進の取り組み
従業員と新入社員を対象に毎年適正飲酒セミナーを開催しています。アルコールの適量や代謝のメカニズムに加え、酒席でのマナーやハラスメント防止について学ぶ機会になっています。セミナー内ではアルコールパッチテストを行い、アルコールに対する自身の体質についても確認しています。
また、適正以上の飲酒習慣のある従業員を対象に、飲酒量コントロールプログラムを実施しています。毎日の飲酒量のレコーディングやノンアルコール飲料の活用で、減酒への取り組みをサポートしています。
■睡眠の取り組み
睡眠に関するオンラインセミナーや産業医講話を実施しています。アテネ不眠尺度を利用した不眠状況の把握や、ストレス・生活習慣病と睡眠の関係、質の良い睡眠のためのポイントなどを学ぶ機会を提供しています。また、昼休みにパワーナップを推奨するアナウンスを行うなど、様々な方法で睡眠の質を向上できるよう工夫しています。
■性差に・年齢に配慮した環境づくり
2022年度以降、女性の健康をテーマにe-learningやオンラインセミナーを実施し、ヘルスリテラシー向上を図っています。また、骨の健康状態を確認できるイベントを実施し、骨粗鬆症を予防するための生活習慣について学ぶ機会を提供しています。
また、高年齢従業員特有の健康課題に特化した取り組みとしてロコモティブシンドローム予防のための健康イベントを実施しています。定期的に実施することで、筋力や柔軟性の変化も実感できるイベントになっています。
■各種ヘルスケア機器を使用したイベントの開催
体組成、肌年齢、ストレス状態を測定できるヘルスケア機器を使用したイベントを複数開催することで、あらゆる角度から自身の健康状態を知ってもらい、健康を意識した生活習慣を獲得できるようサポートしています。
| 参加率 | 満足度 | |
| 体操・ストレッチ推奨イベント | 75.0% | 85.2% |
| 野菜摂取推奨イベント | 97.2% | 88.1% |
| 適正飲酒セミナー | 35.3% | 90.0% |
| 睡眠向上セミナー | 31.8% | 98.5% |
| ロコモティブシンドローム予防イベント | 50% | 100% |
| 女性健康支援セミナー | 36.1% | 91.7% |
| 骨の健康チェックイベント(本社/大阪支社) | 34.0%/50.0% | 94.1%/100% |
※セミナー:上記の参加者に加えアーカイブ配信実施
階層別教育
健康について考える機会と情報提供により生活習慣を改善・定着させることを目的として、各種教育研修などに継続的に取り組んでいます。
<階層別教育>
| 内容 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 新入社員研修 | 100% | 100% | 100% |
| キャリア入社者受入研修 | 100% | 100% | 100% |
| フォローアップ研修(2年次) | ― | 100% | 100% |
| 新任課長研修 | 100% | 100% | 100% |
| Point年齢e-Learning | 92.0% | 100% | 100% |
| ヘルスリテラシー教育 | ― | 91.4% | 100% |
| 管理職メンタルヘルス教育 | ― | 91.1% | 100% |
スポーツエールカンパニー認定取得
従業員がスポーツを楽しみ、継続した運動習慣を持てるよう、スポーツ実施率向上に努めています。
◆ワークライフバランス・両立支援への取り組み
従業員の健康保持・推進のため、労働時間適正化に向けた働き方改革の取り組みとして、テレワーク勤務ガイドラインの制定、営業活動における直行直帰の推奨、ノー残業デーを設け、定時退社を促進しています。
また、職業生活と家庭生活との両立にも力を入れ、ライフイベントによる休業が取得しやすい環境の整備やガイドブックの策定、教育などを実施するとともに、社内向けには『仕事と育児・介護・治療の両立支援方針』を制定し、開示しています。
企業データ詳細 | 一般事業主行動計画公表サイト | 企業が行う両立支援の取組を紹介するサイト (mhlw.go.jp)
| ワークライフバランス | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 | 15.7年 | 15.0年 |
| 1カ月当たりの平均残業時間*1 | 9.0時間 | 12.3時間 | 14.1時間 |
| 年次有給休暇の取得率*2 | 70.7% | 61.7% | 58.4% |
- *1 「時間外労働・休日労働に関する協定書」に記載の範囲内での経年変化
- *2 年初に付与した休暇日数に対する取得率
◆健康経営の普及拡大について
キヤノンメドテックサプライは健康経営の普及を自社内だけに留まらず、取引先等他社との情報・ノウハウの交換、各種イベントの企画・開催並びに共同参加、共同開催を通じて社会の生産性向上や人々の豊かな暮らしの実現に貢献します。
◆事業所・職場単位での安全衛生活動
キヤノンメドテックサプライでは、本社における安全衛生委員会において当年度の「安全衛生活動方針」を決定し、労働災害の撲滅や、健康の維持・増進、交通安全、防火・防災、快適な職場づくりなどを推進しています。
各事業所・職場においては、職場安全衛生委員が中心となり、日常の職場における安全衛生活動を推進しています。
<安全衛生活動 組織体制>
◆労働災害撲滅、快適な職場環境づくり
快適な職場環境づくりのため、職場巡視に加えて職場の整理・整頓を始めとする「5S活動」を全社において定期的に実施しています。また、教育・啓発の充実による安全意識の向上を図ることで、労働災害の撲滅を目指して活動を行っています。
労災件数
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |||
| 労働災害 | 通勤災害 | 労働災害 | 通勤災害 | 労働災害 | 通勤災害 |
| 0件 | 0件 | 1件(0) | 0件 | 0件 | 1件 |
- ※( )内は休業災害件数
「5S」活動の取り組み
すべての従業員が安心・安全・快適な職場環境で仕事ができることを目的として、安全衛生の基本である5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動に取り組んでいます。良好な職場環境を維持するため「居室・会議室」「倉庫」「セキュリティ対策」「電気器具類」「ゴミ分別徹底」「トイレ・給湯室」等、危険因子となる可能性がある箇所をチェックシート方式で確認し、4月・8月・12月の年3回を「5S強化月間」として事業所・職場ごとに課題と目標を掲げて改善活動に取り組んでいます。