確実に滅菌処理された医療機器を供給するためには、適切な滅菌工程が達成されているかを確認することが重要です。
ケミカル(化学的)インジケータは、滅菌物の滅菌後の無菌性を保証するものではありませんが、その滅菌方法における滅菌剤(蒸気やEOガス)の浸透、温度や時間等の必要な条件の達成状態を確認するために使用します。
必要な条件の達成状態は、滅菌物の材質や形状、滅菌器内の配置等により変動いたしますので、すべての滅菌物包装内外部にケミカルインジケータを挿入・貼付することが望ましいとされています。
また、ケミカルインジケータには、器材が滅菌工程を通過した物か否かを判断するためのものや滅菌器の蒸気浸透性を確認するためのものなどがあり、その目的や特性を十分に確認して使用する必要があります。
永年の実績に培われた、PROPPER社のケミカルインジケータシリーズは、確かな滅菌モニタリングをサポートいたします。
PROPPER社のケミカルインジケータは、国際規格ISO11140-1に準拠しています。
適合証明書の発行も可能です。
ISO11140-1 タイプ1 EN867-1 ClassA
プロセスインジケータ [滅菌工程通過確認用]
:LATEX FREE ラテックスフリー商品です。
高圧蒸気滅菌工程表示テープ
オートクレーブテープ
高圧蒸気滅菌工程表示テープ
ブルーオートクレーブテープ
オートクレーブテープ変色条件
134℃〜2分、121℃〜10分
滅菌工程を通過すると白色インクが黒色に変わります。
※ブルーオートクレーブテープも同様
※ブルーオートクレーブテープは滅菌ラッパー専用
サイズ・包装
オートクレーブテープ | 幅18mm(3/4インチ)×長さ54m 12巻入/1箱 |
幅24mm( 1 インチ)×長さ54m 9巻入/1箱 |
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ブルーオートクレーブテープ | 幅18mm(3/4インチ)×長さ54m 12巻入/1箱 |
ISO11140-1 タイプ4 EN867-1 ClassD
マルチバリアブルインジケータ [滅菌条件の判定用]
高圧蒸気滅菌効果判定用
OKカード/OKカードミニ
インジケータ部分が真黒く変色しOK←の文字が出れば、滅菌条件が満たされ工程が完了したことを示します。
変色条件(SV)
121℃〜15分/132℃〜4分/134℃〜3.5分
サイズ・包装
OKカード | 幅14mm×長さ200mm 250枚入/1箱 |
OKカードミニ | 幅14mm×長さ100mm 250枚入/1箱 |
ISO11140-1 タイプ5 EN867-1 ClassD
インテグレーティングインジケータ [滅菌条件の判定用]
酸化エチレンガス滅菌効果判定用
ガスチェックスミニ
赤橙色でgas-chexの文字が緑色に変色すれば滅菌条件が満たされ、工程が完了したことを示します。
変色条件(SV)
時間:40分、温度:54℃、湿度:60%RH、ガス濃度:600mg/L
時間:100分、温度:38℃、湿度:60%RH、ガス濃度:600mg/L
サイズ・包装
ガスチェックス | 幅14mm×長さ200mm 250枚入/1箱 |
高圧蒸気滅菌効果判定用
ベーパーライン
滅菌プロセスの進行で表示部のダークバーが左から右に変化します。
ダークバーが PASS の領域に少しでもあれば、“滅菌可”です。
もし、ダークバーが FAIL の領域にあれば、“滅菌不可”と判断します。
ベーパーラインは蒸気滅菌の3条件(飽和蒸気、温度、時間)のすべてに反応し、その必要条件がそろわないと“PASS”(滅菌可)になりません。
ベーパーラインは、BIで規定された不活化の値と相関しながら、それより遅れて変色(ダークバーが伸延)します。
ベーパーラインは、フラッシュ滅菌プログラムを搭載した小型の重力置換式から、大型の真空脱気式高圧蒸気滅菌器まで、全ての高圧蒸気滅菌器に有効使用できます。
変色条件(SV)
121℃〜20分/132℃〜4分/134℃〜3.5分/135℃〜3分
サイズ・包装
幅21mm×長さ52mm 100枚入/1袋 |
滅菌インジケータについて
確実に滅菌処理された医療機器を供給することは、感染対策を実施する上でたいへん重要なことです。適切な滅菌工程が達成されているかを確認するために、滅菌インジケータを適切に使用する必要があります。 滅菌インジケータには、物理的インジケータ、生物学的インジケータ、および化学的インジケータがあります。それぞれのインジケータを適切に併用し、SALの達成を心がけましょう。
SAL:Sterility Assurance Level 無菌性保証水準 SAL≦10-6
物理的インジケータ
滅菌器の付属計器類(温度計、圧力計、時計)の記録で、運転ごとに適切な条件達成の監視が求められます。滅菌器の運転状況をリアルタイムで監視できることが利点です。ただし定期的な計器の校正は必要不可欠です。
生物学的(バイオロジカル)インジケータ
各滅菌法に適した指標菌※1を使用している点において、生物学的インジケータ(BI)の使用は、滅菌効果を確認するために信頼性の高い試験方法です。
実使用においては、滅菌物の構造・包装形態に応じ、それ以上の負荷を与えたテストパックの使用が望ましい方法です。しかし培養・判定に時間を要する(培地一体型BIで 1~48時間)ことを考慮して予備器材の準備を含めた運用基準を設定する必要があります。
※1 各滅菌法に使用される指標菌 高圧蒸気滅菌:Geobacillus stearothermophilus 酸化エチレンガス滅菌:Bacillus atrophaeus
化学的(ケミカル)インジケータ
化学的インジケータには、性能・形状の異なった製品が各種ありますが、国際規格ISO 11140-1で使用用途、性能別にカテゴリー分類、タイプ分類されています。
ISO 11140-1:2014 化学的インジケータのタイプ分類
タイプ | カテゴリー | 説明 | 使用目的 | |
1 | e1 | プロセスインジケータ Exposure or process indicator |
被滅菌物が滅菌工程を通過したか否かを区別するためのインジケータ | |
2 | s2 | スペシャルインジケータ Special indicator |
特別な用途のインジケータ 例えば、ボウイ&ディック タイプテスト 要求事項は、ISO 11140-3、ISO 11140-4、ISO 11140-5 がある。 |
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3 | i3 | シングルバリアブルインジケータ Internal indicator |
滅菌条件の1つに反応するインジケータ SV許容範囲 広い |
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4 | i4 | マルチバリアブルインジケータ Internal indicator |
2つ以上の滅菌条件に反応するインジケータ SVの許容範囲 中 |
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6 | i6 | エミュレーティングインジケータ Internal indicator |
全ての滅菌条件に反応し、SVをより高い精度で検知する。 設定されたSVにおける滅菌条件の指標となる。 SVの許容値の差 狭い |
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5 | i5 | インテグレーティングインジケータ Internal indicator |
全ての滅菌条件に反応するが、規定値SVは 指標菌の要求性能と同等またはそれ以上である。 タイプ5特有の要求性能あり |
※2 Stated Value 規定値 ケミカルインジケータが終点に達する条件